屋号「植木鉢団」誕生と、電話・メール・ドメインを(ほぼ)0円で揃えた話

前回(開業編①)の続きです。

バーチャルオフィスで住所を確保したので、今回は残りの身支度、 屋号・電話番号・ドメイン・メールアドレスを整えます。 このあたりは生成AI(Gemini)に相談しながら進めました。

屋号を決める

個人事業主の屋号は基本的に自由ですが、禁止事項がいくつかあります。

  • 「株式会社」「Corp.」など法人と誤認される文言はNG
  • 他社の商標・有名ブランドの模倣はNG
  • 「銀行」など許可が必要な業種を連想させる語はNG

それとは別に、Google Playの組織移行を見据えた実務上の注意点も3つ教わりました。

  • 英語表記(アルファベット)を同時に決める。DUNSナンバーの申請で必要になり、以降のすべての書類で使い回すことになるそうだ
  • ★や絵文字などの記号は使わない。海外のデータベースで文字化けやエラーの原因になりやすいらしい
  • 「ラボ」「スタジオ」など事業者っぽさのある語が付いていると、審査側に何の事業か伝わりやすいとのこと

屋号は一度決めて開業届を出すと、ドメイン・サイト・DUNS・Googleと、 すべての場所で「一言一句同じ表記」を使い続けることになるそうです。 後から気軽に変えられなさそうなので、ここは慎重に決めました。

屋号は「植木鉢団」で決めていました。 少し迷ったのは、そこに一言足すかどうか。 「植木鉢団のガラクタ倉庫」——作ったものを雑多に置いておく場所、というイメージも捨てがたかったのですが、 検討の末、余計なものは足さず「植木鉢団」の直球で採用。 英語表記は UEKIBACHIDAN(スペースなし)で固定しました。

※開業届の屋号欄には「植木鉢団(UEKIBACHIDAN)」とカッコ書きで英語を併記しています。日本語の書類と海外のデータベースを同一組織として紐付けてもらいやすくするためです。

電話番号: povoで公開用の番号を作る

組織アカウントでは、デベロッパー情報として電話番号もストアに公開されるそうです。 個人の番号を世界に公開するわけにはいかないので、公開用の番号を別に用意します。

使ったのはpovo2.0。 基本料0円で、半年に1回トッピングを買えば維持できるので、実質の維持費は年数百円です。

スマホ(Pixel 9a)は物理SIM+eSIMのデュアルSIMに対応しているので、 eSIMで申し込めば端末を増やさずに2番号運用ができます。 即日開通しました。

運用は、

  • データ通信・普段の通話 → メインの物理SIM
  • povo側 → 着信とSMSの待ち受けのみ

に振り分け。 公開番号に営業電話がかかってきても、povo側をミュートにしておけば生活は無傷です。 Googleからの認証SMSを受け取るときだけ画面を見ます。

ドメイン: 無料ドメインは使えない

公式サイト用に独自ドメインが必要です(Google Playの組織審査で独自ドメインのサイトが必須になるとのこと。この話は次々回)。

先に結論を書くと、無料ドメインはこの用途では避けたほうがよい、と教わりました。理由はこのあたりだそうです。

  • 無料ツールのサブドメイン(xxx.wixsite.com等)は、Search Consoleでドメインの所有権確認ができない
  • .tkなどの完全無料ドメインは、スパムに悪用されがちで審査の信頼性が低い
  • 提供元の都合で消滅するリスクがある

なので「ドメインだけ有料で買って、サーバーは無料のものを使う」構成にしました。

レジストラは比較の結果、Cloudflare Registrarにしました。 利益を上乗せしない原価提供の方針で、.comの費用は年1,917円(11.51ドル)でした。 更新も同水準です(ドル建てなので為替次第ですが)。 昔使ったことのあるお名前.comは、現在は表示価格とは別に「サービス維持調整費」(26%)が上乗せされる仕様になっていて、候補から外しました。

こうして uekibachidan.com を取得。

※申し込み途中でVAT/GSTという入力欄が出てきますが、これは海外の消費税番号なので、日本の個人事業主は空欄のままで大丈夫です。

メール: 独自ドメインのアドレスを0円で

問い合わせ窓口用に、独自ドメインのメールアドレスも用意します。 有料のメールサーバーは借りません。

  • 受信: CloudflareのEmail Routing(無料)で、独自ドメイン宛のメールを普段のGmailへ転送
  • 送信: Gmailの「他のメールアドレスを追加」で、独自ドメイン名義の送信を設定

送信設定には、GoogleアカウントのSMTPサーバー(smtp.gmail.com)と「アプリパスワード」(2段階認証を有効にすると発行できる16文字のパスワード)を使います。 一度SMTPサーバーの欄にCloudflare側の受信サーバー名を入れてしまい、詰まりました。 受信と送信でサーバーが別、というのが引っかかりポイントです。

これで、相手から見ると完全に独自ドメインのメールでやり取りしている状態が、維持費0円で作れます。

ここまでの出費

  • ドメイン(.com): 年1,917円
  • povo維持費: 年数百円
  • メール: 0円

前回のバーチャルオフィス(年9,900円)と合わせても、事業の「ガワ」は年1万2千円ほどで揃う計算です。 個人開発の固定費としては、まずまず現実的な数字ではないかと。

次回は本丸、開業届のe-Tax提出です。 国税庁のシステムに翻弄された記録になります。