開業届のe-Taxが罠だらけだった話

開業編の3回目です。 住所(バーチャルオフィス)と屋号、電話、ドメインが揃ったので、いよいよ開業届を出します。

e-Taxでオンライン提出すれば一瞬で終わる、と思っていました。 実際には、罠を3つ踏みました。

罠1: ハンコがないと逆に面倒

2025年から、税務署の紙の受領印(収受日付印)が廃止されました。 ペーパーレス化なので良い話に聞こえますが、後工程で困ります。

このあと出てくるDUNSナンバーやGoogleの審査では、「開業届を確かに出した」証明を求められます。 昔なら受領印の押された控えがその証明でした。 今はそれがないので、代わりに

  • 開業届のデータ(PDF)
  • 電子申請証明書(受信通知)

の2つをセットで出す必要があるそうです。 しかも提出先によっては「1ファイルしかアップロードできない」とのことで、この2つを1つのPDFに結合しておくことになります。 このことを知らずに開業届だけ出して満足していると、後で受信通知を探し回るはめになりそうでした。先に教われてよかった話です。

罠2: e-Taxソフトに「送信」ボタンがない

開業届はe-Taxソフト(ダウンロード版)で作りました。 このUIが、控えめに言ってかなり独特です。

入力画面をいくら探しても「送信」ボタンが見つかりません。 これは仕様で、e-Taxソフトは

  • 書類を作る画面
  • 電子署名(ハンコ)をする画面
  • 送信する画面

が完全に別メニューに分かれています。 入力を終えたら一度その帳票を閉じ、左メニューの「電子署名」→ 署名 →「送信」と、部屋を移動していく作りです。 知っていれば何ということはないのですが、初見だと「作ったデータどこ行った?」となります。

罠3: スマホ署名がつながらない(そして回避策)

一番はまったのがここです。

e-Taxソフト(ダウンロード版)でマイナンバーカードの電子署名をするとき、 スマホをカードリーダー代わりに使おうとしたのですが、これがつながらない。

原因は仕様でした。ダウンロード版のスマホ連携は、 私たちがよく知る「画面のQRコードをスマホで読む」方式ではなく、 Bluetoothでペアリングして専用アプリを立ち上げっぱなしにする、接続の不安定な方式です。 (しかもこの方式はAndroid限定)

ここで消耗するより、回避策がありました。

  1. ダウンロード版で作ったデータを「切り出し」機能で保存(.xtxファイルになる)
  2. ブラウザで「e-Taxソフト(WEB版)」を開く
  3. WEB版に.xtxを読み込ませる
  4. WEB版なら画面にQRコードが出るので、マイナポータルアプリで読んで署名・送信

WEB版のほうがQRコードで完結してずっと楽でした。 最初からWEB版で作ればよかったのでは、という気もしますが、それはそれ。

入力でつまずいた細かいところ

送信までの間、入力内容でいくつか手が止まりました。都度Geminiに聞きながら埋めたので、以下はそのとき教わった内容です(正確なところは各自でご確認を)。

  • 開業日: 提出日そのままでよいらしい(青色申告申請も同時に出す場合、この日から2ヶ月以内が期限とのこと)
  • 納税地: バーチャルオフィスの住所を入れ、ラジオボタンは「事業所等」を選択
  • 「上記以外の住所地」: ここに自宅住所を書くそうです。空欄だとエラーや後日の確認電話になりやすいとのこと。なお、ここに書いた自宅住所がストア等に公開されることはないそうで、税務署が内部で見るだけらしい
  • 所得の種類: 「事業(農業)所得」を選ぶよう教わりました(農業でなくてもこれになるとのこと)
  • 給与の支払い欄: 一人でやるなら全部空欄でよいそうです

住所や屋号は、身分証・開業届・このあとのDUNS・サイト表記まで、全部で一言一句そろえる必要がある、と念を押されました。 「1丁目2番地」と「1-2」の違いでも審査で弾かれ得るとのことだったので、機械的にコピペで統一しました。

送信完了、そして最後の一手間

WEB版から無事に送信完了。 メッセージボックスに届いた「受信通知」をブラウザの印刷機能でPDF化し、 開業届のPDFと2枚まとめて1つのPDFに結合(無料のPDF結合ツールを使用)。

これで「実在する事業者ですよ」という通行手形が完成しました。 名実ともに植木鉢団の創業です。中身は変わらず一人ですが。

次回はこの通行手形を持って、DUNSナンバーという国際的な事業者コードを取りに行きます。