書かせる段階でAIっぽさを減らす。指示の出し方のコツ
AI表現・文章推敲コラム
今回は、AIっぽさを「書かせる段階」で減らす話です。
出てきた文章を後から直す方法は別の記事(AIの下書きを「自分の文章」に仕上げる手順)に書きましたが、そもそも下書きの時点でAIっぽさが少なければ、直す手間も減ります。
指示の出し方でどこまで変わるのか、効果のある順に並べます。
コツ1: 自分の過去の文章を渡す
一番効果が大きいのはこれです。
「柔らかい文体で」などと言葉で説明するより、自分が過去に書いた文章を2〜3本渡して「この文体に合わせて」と頼む方が、はるかに寄ってきます。
言葉で文体を説明しようとすると、「柔らかく」「親しみやすく」のような抽象的な指定になり、AIの解釈した「柔らかい文章」が返ってくるだけです。
サンプルがあれば、語尾の癖や段落の長さまで拾ってくれます。
コツ2: 避けたい表現を具体的に指定する
「AIっぽい表現を避けて」という指示は、あまり効きません。
AIは自分の癖を客観視できないためか、指示しても同じ表現が出てきます。
効くのは、具体的な表現の列挙です。
- 「『〜と思われます』『〜な場合があります』のような保険の言い回しを使わない」
- 「『非常に』『大幅に』のような程度の形容を使わず、数値か具体例で書く」
- 「箇条書きは1回まで」
自分がよく削っている表現をリスト化しておいて、指示に毎回貼り付ける運用にすると、下書きの質が安定します。
避けたい表現のリストを作る
コツ2で挙げた「避けたい表現の列挙」は、自分の下書きから作ると、効き目のあるリストになります。
AIに書かせた下書きを Ningenize に通すと、多用されている表現がハイライトされます。
何本か通して、繰り返し出てくる表現を書き留めていけば、自分の使い方で出やすい癖の一覧ができます。
それを次の指示に貼り付ければ、同じ表現が出る回数が減ります。
自分が気になる言い回しを Ningenize の独自辞書に足しておくと、次からのチェックにも反映されます。
コツ3: 構成を指定しすぎない
意外かもしれませんが、構成を細かく指定するほど、出てくる文章は型どおりになります。
見出しを全部指定して各節を埋めさせる書き方は、抜け漏れは防げる一方で、どの節も同じ密度の「整いすぎた文章」に着地しがちです。
大事な論点だけ渡して構成は任せ、出てきたものを組み替える方が、文章としては自然になります。
このあたりは、抜け漏れ防止と自然さのどちらを取るかの選択です。
一度に多く指示しすぎない
避けたい表現を並べすぎると、指示そのものが長くなり、一部が守られなくなることがあります。
まずは影響の大きいものを5つ程度に絞って渡し、出力を見ながら入れ替えていくほうが、結果は安定します。
長さも指定する
AIの文章は、放っておくと長くなりがちです。
「300字程度で」のように長さを指定すると、言い回しの水増しが減ります。
長くなる理由と削り方は、「AIの文章はなぜ長くなるのか」のコラムで書いています。
この方法の限界
指示の工夫でAIっぽさはかなり減りますが、ゼロにはなりません。
- 会話が長くなると、指示した制約が徐々に効かなくなってくる
- 表現は寄せられても、「内容が平均的」という根本は変わらない
指示の工夫はあくまで下書きの質を上げる工夫で、仕上げの推敲が不要になるわけではない、というのが実情です。
最終チェックに当サイトのNingenizeのような検出ツールを挟むと、指示が効かなくなってきたことにも気づきやすくなります。
まとめ
書かせる段階の対策として、文体サンプル・避けたい表現の列挙・構成を縛りすぎない、の3つを挙げました。
「指示で8割寄せて、推敲で残りを詰める」。
この分担で考えると、AIと付き合う手間の総量が一番小さくなりそうです。