複数のAIで書いた文章を混ぜると、段落ごとに文体が変わる

AI表現・文章推敲コラム

前半は片方のAIに、後半は別のAIに書かせた。
つなげて読み返したら、途中で書き手が変わったように見える。

意味は通っているのに違和感が残る場合、文体が割れていることがあります。

何が割れるのか

出るのは主に次のところです。

文の長さ。短い文を並べるものと、読点でつないで長く書くものがあります。

語尾の分布。「〜です」で終わるか、「〜ます」で終わるか、体言止めをどのくらい混ぜるか。

強調の仕方。記号で強調するか、副詞で強調するか、そもそも強調しないか。

見出しの粒度。細かく切るものと、大きくまとめるものがあります。

どれも単体では誤りではありません。
1本の文章の中で切り替わることが、読みにくさを作ります。

癖は固定されていない

やっかいなのは、この癖が変わることです。

同じサービスでもバージョンが上がれば出力は変わりますし、指示の書き方や、直前までのやり取りでも変わります。
「このAIはこう書く」と覚えても、しばらくすると当てはまらなくなります。

覚えるより、書かせるたびに手元で確かめるほうが結局は早いところです。

揃える手順

混ぜたことに気づいたら、次の順で見ます。

まず語尾を数えます。段落ごとに「です」「ます」「体言止め」の比率を見ると、割れている境目が見つかります。

次に文の長さを揃えます。長い文が続く段落と短い文が続く段落が隣り合っていたら、どちらかに寄せます。

最後に強調です。前半だけ記号が多い、後半だけ副詞が多い、といった偏りを均します。

表記の揺れも割れる

文体のほかに、表記が割れることもあります。

  • 「行う」と「おこなう」
  • 「ユーザー」と「ユーザ」
  • 数字を全角で書くか、半角で書くか
  • 「、」「。」と「,」「.」

AIごとに、どちらを選びやすいかが違います。
どれも単体では誤りではありませんが、1本の文章の中で混ざると、書き手が変わったことがはっきり分かります。
エディタの検索で片方の表記を探し、どちらかに統一すれば直せます。

語尾は検索で数える

段落ごとの語尾の比率は、目で追うより、検索で数えるほうが早いです。
「です。」「ます。」で検索して、件数と出てくる位置を見ると、どのあたりで比率が変わるかが分かります。

ハイライトの偏りも手がかりになる

Ningenize に通すと、AIが多用しやすい表現がハイライトされます。
ハイライトが特定の段落に集中していれば、その段落だけ書き手が違う可能性があります。
割れ目を探す目安として使えます。

同じAIでも割れる

複数を使い分けていなくても、割れることはあります。

長いやり取りの途中で指示を足したとき、その前後で出力の調子が変わることがあります。
参考として文章を渡すと、そちらに引きずられることもあります。

「1つのAIで書いたから統一されている」とは限らないので、通しで読み返す工程は結局必要になります。

混ぜる場所を決めておく

割れが目立つのは、地の文が続く箇所です。

逆に、箇条書き、表、コード例のような形の決まった部分は、多少書き手が違っても差が出ません。
複数から素材を集めるなら、こうした部分に寄せておくと、後の統一作業が軽くなります。

割れを避けるなら、通しで書かせない

そもそも避けたい場合、方法は2つあります。

ひとつは、1本の文章は1つのAIで書ききること。
もうひとつは、下書きを複数から集めたうえで、仕上げを1回で通すことです。

後者のほうが素材は集まりますが、仕上げの工程は必ず要ります。
つなげただけで完成にすると、段落の境目に必ず跡が残ります。